千葉県佐倉市 古材再生の車庫づくり 平成22年12月30日
ただいま12月30日午後8時半、無事に今年の仕事を大方終えることができました。
例年のことですが年の瀬はいつもあわただしく、年内にこなすことができずに来年に繰り越し頂いたお客様も多数いらっしゃいます。
年内におうかがいできなかったお客様にはこの場を借りて心よりお詫び申し上げます。
年末の手入れや深夜までの残務に追われて、しばらくブログの更新ができませんでした。今日が今年最後のブログ更新のチャンスです。
暮れの時期、庭の手入れにうかがう度に、予想もできない木々の変化や年月を経た庭の態様の遷移に驚かされることがあります。
長年、自然樹木と接しつけていながらも、まだまだ自然を理解するには及びません。木々は私たちと同じ生き物ですから、人間の私ごときが木々の命をすべて理解出来ると思うことなど、おこがましいことなのだと感じます。
手入れ仕事が一件ずつ片付き、年明けが迫るにつれて、来年への抱負と情熱が心の底で煮えたぎってきます。
夢は潤いのある街づくり、自然と共生した豊かな生活環境づくり、焦らず気負わず弛まずぶれず、わが道を歩みたいと思います。そして、もっともっと自然や木のことを深く感じ取りたいと思います。
さて、このブログでの紹介は大変御無沙汰となった千葉県佐倉市で進行中の、解体民家の古材再生、進んでいます。
民家を解体した古材を用いて建てている2台分の車庫件倉庫が、ようやく組みあがってきました。
車庫内部の様子。幅3間半の屋根を支える見事な梁、この地にあった入母屋民家の松の梁を再生利用しています。
下屋庇の縁桁には、民家軒桁として使われていた杉丸太を再利用し、松の化粧垂木もすべてここで再生利用しています。
破風板や屋根裏の野地板などは劣化が激しかっために新たな木材を用いましたが、小屋束柱に小屋梁、すべての柱や土台に至るまで、とことん古材を再生利用しています。
味のある、立派な車庫がたちあがってきました。解体民家の貴重な古材がなければ、このような車庫は決して造られることはありえません。
かつての民家は素晴らしい木材の宝庫です。こうした資源を有効利用することは、お施主にとっても造り手にとっても大きな喜びをもたらしてくれます。
これからの日本において、とても価値ある仕事がここで進められているように感じます。
一度きりの人生です。「自分にしかできない価値ある人生を、価値ある仕事を目指せ。」
いつも若い社員たちや後輩たちにそう言い続けている私自身、来年も全力で、現代の暮らしや現代人の心を癒す、価値ある住環境を提供すべく、さらに自分を磨いていければと思います。
一生涯が勉強の連続です。それだけの価値ある仕事に携わることがきることに感謝です。
来年、皆様にとって良い年となりますように。1年間本当にありがとうございました。