高田造園農場始動と茨城県鹿島市の庭完成間近 平成26年4月6日
今年度からの目玉的な取り組みとして、自給栽培農場の取り組みが先週ようやく始動しました。
自社所有地の開墾作業に始まり、いずれは植木生産用の借用農地の一部を食糧生産畑へと広げていきます。
これからの時代、今後の地球環境、地域環境に対する危機意識は人によって様々ですが、いざという時の避難地、自給自活の拠点を持つことを考える人が、震災以降増えてきたように感じます。
私たち、高田造園も、今後は半農半造園?を志し、食糧、エネルギーの可能な限りの自給自活を目指します。
当面の目標は、社員世帯全員のコメ以外の穀物と野菜の3年以内の自給体制、さらには自家採取での栽培を目指し、余剰生産品はお客さまや仲間に分けていこうと考えております。
ここではニワトリの飼育、炭焼き窯、炊事用のかまど、周囲の自社林内に横穴式の食糧貯蔵庫、避難地として利用できるバンガローなどを計画しています。
ここは樹木ポット苗置き場跡地を開墾しています。社員で一列になり、固くなった土をスコップで掘り返します。
そして、開墾地に漉き込むのは、剪定枝葉を原料に作った大量の完熟たい肥です。
剪定枝や落ち葉を細かく裁断し、米ぬかを混ぜて堆積して1年、腐植に富んだ素晴らしい完熟土壌に生まれ変わります。
これを菜園の堆肥として大量に漉き込み、固くなった大地を再生していきます。
そして小型の耕耘機で攪拌、耕耘します。
今回は種イモを植え付けていきます。
ここまでする必要はないのですが、、稲わらの在庫がたくさんあったので、丁寧にマルチします。農園最初の植え付けですので、みんなの夢と期待がこもります。
この日は約20坪ほど開墾し、堆肥を混ぜて野菜植え付けの準備を終えました。菜園はこれから合間を見て、どんどん広げていきます。
さらにこの日は、農園外周に農地環境保全林を育成すべく、外周にポット苗を混植して植え付けました。コナラ、クヌギ、サクラ、モミジ、スダジイ、マテバシイ、タブノキ、アラカシ、イチイガシ、などなど、5年もすれば防風林として機能する緑の壁となることでしょう。
ちなみにこれは、1年半前に植えつけた樹木ポット苗混植実験地です。
植えつけた当時は50センチにも満たなかった苗木たちは、1年半を経過して高さ2mの小樹林の様相を見せています。今年の暮れには高さ3mを超えることでしょう。
木を植える、育てることは本当に楽しいものです。未来への夢と希望が広がります。
1年半前に建てたまま、残材置き場と化していた小屋も片づけて、ここに農具を収めます。
この小屋はすべて、解体した古材を用いて作りました。
「みんながお金をたくさん使うこと」によって「経済をよくなり、みんなが豊かになる」という幻覚から、そろそろ目覚めねばならないように思います。
なるべくお金をかけず、身近な自然を活かして持続的に美しく生きていきたい、そんな価値観がこれからますます広まってゆくことでしょう。私たちもそうありたいと思います。
1日の作業を終えるころ、雑然としていた固い土地に菜園が出現し、そしてなんとなく、美しくのどかな風景が生まれつつある予感が感じられます。
木々の緑と農のある風景、それこそ私たちが心底望む心安らぐ平和の光景です。
かけがえのない大地、そして大地を再生させること、生き物の絆を再生する、これから高田造園農場はわが社みんなの心に明るい希望を育み続けます。
さて、2月からかかっていました茨城県鹿島市Yさんの造園外構工事、いよいよ完成間近となりました。長らくてがけた造園工事の最期は、いつも少しばかりの名残惜しさを感じます。
Yさんも造園依頼いただいてから2年以上お待たせしての竣工となりました。お待ちいただいた分、私たちの庭つくりにも力がこもります。
週末家庭菜園を楽しむYさんの庭には、これもまた古民家を解体した古材をほぼ100パーセント用いて農具小屋を建てました。こうした小屋は庭の楽しみを幾倍にも高めてくれます。
小屋の土間は、土と石灰とにがりを混ぜて叩き締めた、古来からの本叩き仕上げです。
セメントを用いないからこそ生み出される土の質感と温かさ、素朴で懐かしい風合い。そしてこの叩きは壊せばそのまま土に還ります。
青空に映える芽吹き前の雑木の枝がそよ風に揺れます。
接道部分。隣接道路にも緑を張り出し、街に潤いを提供します。
芽吹き前の落葉樹は温かな陽光を浴びて日に日に芽を膨らませていきます。あと2週間もすれば、Yさんの家は新緑の雑木林の奥に見え隠れすることになるでしょう。
完成まであと1日です。