庭造り

事務所の春と、新年度初庭の完成        平成26年4月3日

 いのちのざわめきに心躍る春が来ました。クロモジの芽が日に日にふくらみ、小さな花が開いたと思うと陽光に向かって葉が日に日に開いていきます。

 芽が開く直前の、エネルギーに満ちた芽先をなでるような春の日差しがやさしく、この時期は日本人の誰もが命の美しさに心安らぐのではないでしょうか。

 樹の陰で生き生きとした葉色が美しいアセビも、春の咲き始めの時期がもっとも清らかです。
 いつもはあまり目立たずに、それでも確実に庭に雰囲気を与えてくれる名脇役のアセビも、春の訪れに負けじと存在をアピールしつつ、他の木々と共に春の音色の合唱に力強く参加します。

 春の木々は、見る人の心に力と希望を与えてくれます。花ばかりでなく、力強く新葉を伸ばす姿が生きとし生けるものすべてに活力を与えてくれるようです。

 吉野ツツジも今が満開。木陰で木漏れ日を拾って静かに生きるこの木も、この時期ばかりは庭の中で最も目立つ印象的な色合いを見せます。普段はあまり威勢のよい木ではないのに、まるでこの開花の時期にすべてをかけて、生きているようです。

フキノトウはとっくに花の時期を終えて、柔らかな見慣れた春の葉が春の野の風情を感じさせます。
 四季があり、いのちの春が毎年訪れる素晴らしい日本の風土。
 このまま温暖化が進めば数十年後には北海道を除く日本のほとんどの平地は亜熱帯化すると言います。来年も、再来年も、いつまでも美しい春の野が見られますように、そんな祈りが春の音色に呼応して響くようです。

 芽吹き前の昨日、今にも雨の降りだしそうな曇り空の下、4月に入って第一号となる庭の改修工事が終了し、引渡しとなりました。

 

  千葉県市川市sさんの庭、依頼いただいてから実に2年半ほどお待たせしての完成となりました。
 あいにくの空模様でよい庭の表情が撮れませんでしたが、1か月後には新緑の緑に包まれてその雰囲気は一変します。
 庭のある暮らしを夢見るお客様をお待たせするのはいつも心苦しく、気持ちばかり焦ってしまいますが、完成後、「待った甲斐がありました。」というお客様のありがたい言葉にいつも救われます。
 庭の完成は、縁の始まりです。庭を通してのお客様との付き合いが始まります。年月と共に美しく落ち着きを増してゆくように、私たちもまた、これまで作らせていただいた庭の木々たちと共に年を重ねていきます。

株式会社高田造園設計事務所様

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