どんぐりのポット苗づくり 平成24年10月1日
台風一過。事務所のコナラです。今年もたくさんのどんぐりを落とす季節になりました。
去年の秋、趣味で始めたポット苗。コナラ・クヌギ・シラカシ・ケヤキ・モミジなど、播種から1年経過しましたが、まだまだ小さなものです。いろいろと反省点が見えてきました。
今年からは本格的にポット生産に取り組みます。
このポット苗が今後、日本のあちこちに自然に近い豊かな森へと育ってゆくと思うと、夢のある仕事に心底から高揚してきます。
昨年植えたポット苗は、苗床に地植えしました。根が蒸れてしまい、生育があまり良くなかったのです。土中深くまで耕耘して落ち葉堆肥を漉き込み、そして敷き藁で乾燥と温度変化を防ぎます。土壌微生物環境を改善してゆくためにも敷き藁は非常に有効です。
ともかく、これで昨年の生育不良などんぐり苗が大切に苗床に移植されて、元気を取り戻してくれることを願うばかりです。根は水分過多や乾燥、酸欠、温度変化などによってダメージを受けてしまいます。
そして今年から導入したのが、樹木苗専用の育苗ポットです。FRP製で丈夫で、15回はリサイクル使用できると言います。鉢底だけでなく側面にも大きな通気口がたくさん開いており、これなら酸欠や根腐れを起こすことはないでしょう。
また、やや縦長の形状は、主根が真下に太く深く伸びてゆく性質の、多くのどんぐりの樹種に適応しています。
通常のビニール製のポットに比べて、半分程度の期間で0,3m~0,5mの健康な樹木苗が生産できると言います。
新兵器の導入はいつも、とてもうれしいものです。
このポットに腐葉土を詰めて、どんぐりを乗せます。
ポットに詰めている土は、剪定枝をリサイクルして作った腐葉土です。比較的細かな剪定枝や落ち葉を堆積して約1年程度経過しています。適度に分解が進んでいて、どんぐりの床土には最高だと思います。
どんぐりの根は十分に呼吸できる環境が必要です。
腐葉土を詰めて、その上にクヌギのどんぐりを置き、そしてその上にもみ殻をかぶせていきます。
落葉樹のどんぐりの多くは、地に落ちて早ければ数日程度で根を出して、その状態で越冬します。春になってしっかりした葉をつけるまで、木陰で管理します。
昨年の生育不良の苗も、ビニールポットから新たな育苗ポットに移し替えました。
どんぐり苗造りは誰にでもできます。お金もかかりません。
また、木が育って森になる、そんな素晴らしい夢と喜びを感じながら楽しく生きることで、人間の精神はいつまでも老化することがないように感じます。
木を育てる、森を作る。誰にでもできる、素晴らしく楽しい趣味です。是非、広めていきたいものです。