日曜日の朝 平成23年3月20日
大震災の混乱が続く中、あの災害発生から1週間が経過して、新たな日曜日を迎えました。月日は変わることなく流れていきます。今は日本中の方々が、喪に服しているような心模様にあるのではないかと思います。
こんなときに、自分の仕事などしていてよいものか、そんな罪悪感のようなものを感じながら、今週も2件の造園工事が終了しました。
日本のためにも、日々の仕事をしっかりと回転させつつ、被災者方々に対して自分たちができること、その時必要なことをしていきたいと思います。
被災者方々を思うにつけて暗くなる心を奮い起こすべく、今朝は今の私にとっての最もお気に入りの茶碗でお茶を点てました。
お茶を点てると心が落ち着きます。
この茶碗は昨秋、奈良県吉野山の小さな道具屋さんで入手しました。出雲焼11代、萬祥山窯、日野瑞雲の作で、かなり使いこまれているものです。
何度見ても、何度触っても飽きることがありません。心をとても満たしてくれる器です。
さて、昨日お会いしたお客様のお話しが、ずっと頭に残っておりました。大手メーカーに勤めていて中国と日本とを往復しながら仕事されている方です。今は日本人の採用を減らして中国人の採用を増やしているとのお話です。
労働者の質が日本の若者に比べて格段に中国の若者の方がよい上に、コストも安いとのお話でした。これでは日本の就職難はいつまでも改善されないどころか、日本の将来に大きな不安を感じます。
今時の若者を責めることはできません。子供たちは今の社会や大人を見て生きています。
私たち大人は、若い人たちに対して、胸を張ってバトンタッチできる、よい世の中を残したでしょうか。
子供たちに対して、「志を持って世のため人のために自分を活かせる仕事を見つけて力を尽くせ。」と言いますが、そういう私自身、「世のため人のためにやれることはやった。後は君たちに任せるぞ。」などと、後世のために胸を張って言える社会や国土を伝えてきたでしょうか。
何か、とても痛烈に反省されられている気がします。
今、私たち一人ひとりの力で日本を再生していかねばならない時を迎えました。
大きな病気や怪我、あるいは社会的な挫折など、人が生まれ変わる機会は節目ごとに訪れます。
そして、今の日本も生まれ変わりの時期にあると感じます。人生はいつ終わるか、誰にも分かりません。
私自身、目先のことに捉われず、よい日本を後世に伝えるべく、自分にできることすべきこと、生き方考え方をもう一度見直さねばならないと感じます。
被災者の方々にはあらためて、心よりお見舞い申し上げます。