庭造り

千葉県佐倉市 古民家再生  平成23年3月13日

 東日本に未曽有の被害をもたらした地震の影響で、私の地元千葉市でも道路網などの被害がありました。
 被災され、被害を受けられた方々には心よりお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
 被災者方々のために、当社として、また私個人としてもできることは尽力させていただきます。
  安否確認ために当社にご連絡をくださいました方々に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。当社社員家族、そして当社のお客様方々、県内外の関係業者ともに無事でございます。
 温かなお言葉を下さった方々に心より感謝申し上げます。

 当社の顧客であり、私にとって良き心の隣人である江戸川区の喫茶店「カフェ ブレスミー」の奥さんが私にこう言われました。

「たくさんの人が亡くなったけど、無事だった私たちにはすべき役割があると思う。被災された方々のために、それぞれの立場で何ができるかを考えて、私たちができることをしていきましょう。」

 本当に同感しました。こういう時こそ、一丸となって助け合い、そしてみんなでこれを乗り越えていかねばならないと感じます。
 わたしたちにできることを見つけて、惜しまず協力していく所存でございます。日常の仕事はできるときに進めながらも、情勢を注視していこうと思います。

 さて、昨年から進めております千葉県佐倉市の古民家再生工事、入母屋屋根の瓦下地工事まで終了しました。

 この地に元々あった入母屋民家の2階屋根部分をそっくり復原しました。大工棟梁は当社の知恵袋、川上徳房氏です。

 広縁の庇、玄関庇屋根の桁が組あがって、新たな再生民家の骨格が見えてきました。
 入母屋屋根の美しさ、現代の建築の流れの中で徐々に消えてゆくことでしょう。だからこそ、古民家の再生の中に大切な価値が生まれます。

 素材と構造の美しさ、力と安定感ある本物の美しさは、かつての日本民家の素晴らしい価値です。構造材料は今となってはなかなか入手できない貴重な素材です。解体した材料がなければできないことです。
 接着剤と金具に頼った最近の住宅の多くは再生などできず、解体後はすべてごみとなりますが、かつての日本家屋からはごみは発生しませんでした。
 本来、分解組み立て可能な家屋の造りですので、傷んだ部分の材料だけ交換し、使える木材は使い尽くし、土壁、藁屋根は土に帰し、古い瓦などは庭つくりや土留め、間仕切り、雨落ちや瓦土塀の材料として、朽ち果てるまで使いまわされてきたのです。

 かつての日本民家の素晴らしさを現代に活かることができればと思います。

 これも、同じ解体民家の素材を用いて作った12坪の車庫兼倉庫です。
解体前の民家は70坪の大きなものでしたので、その材料を用いて小さな建物を何件も作ることができます。
 古民家解体木材はまさに、素晴らしい資源の宝庫であることを実感します。

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