雑木の仕入れ 平成23年1月22日
今日は、当社で扱う今年1年分の雑木の買い付けのために、県内の植木畑を廻りました。
コナラ、クヌギ、ケヤキ、ヤマモミジ、ヤマボウシ、エゴノキ、イヌシデなど、合計300本以上買い付けます。
この後、1月下旬から2月上旬までの間にこれらの雑木を掘りとってもらい、当社の畑に仮植えします。
そしてこれらの雑木が今年の1年間、私たちの作る雑木の庭へと収まっていきます。
落葉樹の多くは移植の時期として冬の間が最も安全な時期と言えます。
落葉する時期の冬に根を切って仮植した雑木は、その後、時期を選ぶことなくいつでも移植することができます。
逆に言えば、冬の間のこの作業を怠れば、その年の夏の植栽が思うようにできなくなるのです。
この作業を「根回し」と言います。木を移植する際、早い時期に太い根を切って回し、細かな根を新たに出させ直すことで移植しやすい状態を作るのです。
何かをなそうとする際、見えない部分で事前に準備することを「根回しをする」と言いますが、それはこうした造園用語が語源となっているのです。
今日の最後に訪れたのは、このケヤキ畑です。
樹形のよい木、私たちの庭になじみやすい形状の元気な木を選んで、買い付けの印を付けていきます。
この畑のケヤキは、直径10センチ以下の細い幹の割に樹高が高く、高さ5mから8mくらいあります。
繊細で、なおかつ邪魔な下枝がなく、私にとってはとても扱いやすい形状のケヤキです。
密植することで競争が促され、肥大成長は抑制されて、なおかつ伸長成長が促進されるのです。
そして、雑木林の中で育ったような繊細な樹形が育まれるのです。
私たちの庭の主役は雑木です。自然な庭を生み出すためには、シビアな目で植栽する樹木を吟味しなければなりません。
お客様には見えない作業ですが、よい雑木の庭を作る上で、実はこれが最も大切な作業と言えるかもしれません。
自然味があって庭になじみやすい樹木調達のために、かなりのエネルギーと労力を注ぐのです。こうした努力があって初めて、自然になじむ雑木の庭が生み出されるものだと思います。
さて、今年はよい雑木がたくさん入手できました。さて、これらの木々をどのように扱っていこうか、よい木が入手できると、これからの庭つくりがとても楽しみになります。