庭の管理

今週の仕事        平成24年5月24日

 早くも5月も後半です。当社の私事ながらいろいろと事情があって、手入れも工事も遅れております。お待たせしておりますお客様、本当にすいません。。。
 一軒一軒休みなく進めておりますので、順次お待ちいただければ幸いです。

 今週の仕事紹介です。

 東京都練馬区大泉、Kさんの家は2階がリビングとなります。リビング窓越しの景色です。施工して3年目経過し、深い緑が窓越しに森の中にいるような木陰と涼しい空気を生み出します。
 ここが大泉の住宅街の2階リビングとは思えぬほどの圧倒的な自然樹木に育ってきました。

 写真左側の木立が、ちょうど2階リビング正面の木々です。
 住環境は1階の座敷からの景色を絵画作品のように作ればよいというものではありません。
 それぞれの住まいにとって、快適で潤い豊かな住環境としてゆくには、どのように木々を配してゆくか、これからの時代は住環境としての庭つくりが求められます。

 そしてここは東京都練馬区貫井Nさんの庭です。ここも施工後3年が経過しました。
「連休はずっと家にいて庭を眺めて過ごしました。この庭があればどこにも行かないで過ごせます。」と、満面の笑顔でNさんは言ってくれます。

決して広くない、都会の住宅密集地の中の住まいですが、木々の力でその居心地は、そこに暮らす人にしか分からぬほどに良いものとなるようです。

家屋西側の、西日除けの木々は今やしっかりと夏の室温上昇を抑制し、そして街の景観林と呼べるほどのボリュームを感じさせてくれます。
 道路より2mほど高い位置にあるこの敷地、通る人は必ずといってよいほど、この圧倒的な緑を見上げていきます。

その、家屋西側の多層群落の木立も、実際には建物際のわずかな幅にすぎません。
狭いところで幅60センチ、広いところでも1m50センチ程度、そのわずかな幅でも、木々の活かし方次第で、住環境としてのスペースを圧迫することなく、住まいの微気候まで改善してしまうほどの植栽ができるのです。
 そして、これほど圧倒的な木々に包まれた庭の手入れは、3人で3時間もあれば終わります。
木々の性質に逆らわず、理に適った手入れをしていけば、管理のコストはあまりかからないのです。そして、成長の早い雑木をコントロールして10年20年と十分に共存できるのが、私たちの提供する本物の雑木の庭なのです。

 そしてここ、埼玉県飯能市のSさんの庭も、竣工後3年目を迎えて一段と緑は深まり、美しく涼しい住まいの森と化してきました。

 2階窓に、逆光に輝く葉の反射光が光の色合いを変えて心地よく差し込みます。
 やはり、1階だけでなく2階を含めてはじめて、住まいの外環境は完成します。

中庭の景色。左側にはブロック塀を隔てて隣家が迫っていますが、その雰囲気をも木々が柔らかくなじませています。

土間空間に差し込む清らかな緑の気配。

 圧倒的な木々の合間から暖炉の煙突を仰ぎ見ます。ここもまた、どこかの別荘地でもなんでもなく、飯能市内の密集住宅地の一角なのです。
 やはり、Sさんも連休はどこにも行かずに家で過ごされたようです。「どんな旅館に泊まるよりも、家族みんなでうちにいるのが一番心地よい。」とSさんはいつも言ってくれます。心豊かな住環境は何よりの宝ではないかと、改めて確信させられます。

 そしてまた、今週で1件の小さな庭の改修工事が終了します。木立の中の石畳テラスの施工中です。千葉市中央区の、やはり住宅街の一角です。
 植栽したばかりの木立がすでに、作ったばかりのテラスを涼やかな木陰にしてくれています。

 施工中のテラスに揺れる木漏れ日が、すでにこの庭の時間の流れを緩やかに感じさせてくれています。
 庭はなんと大切な心の糧になることでしょう。それがどれほど、人の心模様を豊かにすることでしょう。私はそれを、なるべく低コストで多くの人に届けていきたいと思います。
 が、、時間が足りずに、依頼から施工までお客様を何年もお待たせしてしまうのが今の状況です。所詮、一人の人間がこなせる仕事量などたかが知れているのでしょう。
 だからこそ、住む人を幸せにする住環境を作るための庭つくりの担い手が、これからどんどん増えていかねばならないと思います。
 それが時代の要請であり、この仕事の現代的社会的意義というものだと感じます。それを意識して仕事できる庭師造園家が増えてくれば、日本の街はきっと美しく再生されてくることでしょう。
  
 

株式会社高田造園設計事務所様

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