5月の手入れ行脚 その1 平成24年5月18日
連休後の時期、来る日も来る日もひたすら手入れに回り続けます。この時期に、これまで作らせていただいた庭や、お施主様と再会することは、私たちの仕事にとっての何よりの楽しみの一つです。
千葉市花見川区のIさんの庭も、施工後7年目を迎え、深い緑にメリハリが感じられます。
手入れ後の庭に木漏れ日が差し込みます。年月を経てなお良くなるのが雑木の庭です。
2階窓から手の届く位置に差し掛かる雑木の枝葉は、残します。小学生の娘がこの窓越しの緑をとても大切に愛でてくれるからです。
ここは千葉市緑区Iさんの庭です。施工後5年が経過しました。
土の状態が悪く植栽直後の成長があまり良くなかったこの庭も、5年を経た今では木々の根が土を肥やし、枝葉を元気に広げて庭中に涼しげな木陰を作ってくれています。
ここは千葉市緑区Mさんの中庭に設けた植栽枡です。住宅に囲まれた狭い敷地では、中庭の存在が非常に効果的に室内を潤します。一つの坪庭が周囲3部屋からの外の景色を潤すのですから。
このMさんの庭は植栽後2回目の春を迎えました。1年ごとに緑は深まり、それとともに住まいの風景はより美しく緑の中に溶け込んでいきます。
昨年6月に完成したばかりの千葉県鴨川市Tさんの庭です。
西日除けを兼ねた玄関前の植栽も昨年に比べて2倍程度に緑が濃くなったでしょうか。完全に根を張って木々が旺盛に成長するまでにはもう1~2年は必要ですが、着実にこの地の風景となりつつあります。
そして今日訪れたのが千葉県船橋市Mさんの庭です。竣工後3年目を迎え、ようやく木々がこの地に溶け込みました。
昨年までこの時期に発生していたハバチやカイガラムシの被害も今年はなく、代わりにテントウムシの幼虫がたくさん木々の枝葉の上でせっせとお仕事してくれていました。
生態系として庭が安定してくると、通常病虫害の目立った被害はなくなっていくのも、自然に近い雑木の庭の特徴と言えるでしょう。
西日除けの木立が駐車場を潤します。
西側の玄関アプローチ。幅わずか1m程度のスペースでも、植栽次第で十分に潤います。
狭い場所には狭いなりの工夫、広い場所では広いなりの木々の活かし方があります。住環境に甲乙などありません。どんな環境でも木々の力を上手に生かせば、住む人に愛され続けるかけがえのない住環境となるものです。
そして、それを毎年の手入れによってより自然な状態へと育ててゆく、それが私たちの仕事です。