秋の手入れ 平成22年10月19日
昨日、手入れのために2件ほど、以前につくらせていただいたお庭を廻りました。
千葉県松戸市Kさんの庭、手入後の様子です。施工後3年目の秋の手入れとなりました。
雑木の庭を管理する際、私は春と秋の2回の手入れをお勧めしています。
秋の手入れの際には、寒くなる時期の日差しを庭に取り込むべく、かなり明るめに枝葉を間引いていきます。この時期の落葉樹の手入れでは、大きな枝を外しても木に対してあまり負担をかけないうえ、大きな切り口からの病原菌などの侵入リスクも低くなります。
また、これから冬にかけて葉の蒸散作用が弱まって幹枝の含水率も下がってきます。そのため木材腐朽菌などの侵入リスクも下がり、大枝剪定による木へのダメージを最小限に抑えることができます。
手入後の庭は随分と明るくなります。光と風と空間の適切な確保、それによって庭の健康を守ることも、雑木の庭の手入れにおける大きな目的になります。
3年目となると庭はますます自然に近づいていきます。手入後の庭には秋の柔らかな日差しが差しこんでいます。
同じ日差しでも季節によって、雑木の庭はさまざまな表情で季節の移ろいを感じさせてくれます。
そして2件目に訪ねたのは千葉県船橋市Mさんの庭です。今年の2月につくったばかりの庭です。
毎日この庭を目にするMさんには分かりにくいようでしたが、庭の木々は確実にこの場所になじんできました。
厳しい夏を乗り越えて着実に木々がなじんできた背景には、この庭をとても大事にされるMさんの努力が想像できます。
この夏は毎朝仕事前、5時から水撒きをしてくれたようです。こうしたお施主の愛情に木々は必ず答えてくれます。
西日差し込む玄関ポーチ周辺の木漏れ日です。植栽スペースはわずかながらも、配置を工夫して植栽したおかげで、数年後には夏の西日を大方シャットアウトしてくれることでしょう。
健全に美しく庭を育てること、その手助けが私たちの手入れです。