葉山 住まいの庭つくり竣工 平成25年11月13日
工事期間中に2つの台風に見舞われて長らくかかっていた葉山の庭が、ようやく仕上げです。
外空間を意識した家屋の外観に木々を溶け込ませて、家と庭が一体となった住まいつくりを目指します。
建築は北村建築工房の設計施工、植栽が必要な場所にゆとりある外のスペースを設けながら建築された家屋は実に植栽しやすく、家屋の形状も植栽による補完を意識して建てられています。
「モリのイエ」というテーマのもと、木立とノシバ、地形の起伏だけで庭を造作します。
木立の下にノシバを植えると、木漏れ日が庭をやさしく揺らします。
手前の男の子は施主の息子、小3です。今回の庭つくり、私たち造園だけでなく、お施主も建築者も一緒に作業に参加してくれました。
住まいの環境を、造園、建築、お施主の3者が一体になって作り上げる。理想的な住まいの環境つくりではないかと感じます。
完成後の住環境。木々だけで作られた住まいの外空間はこれからこの土地と共に、そしてここに住む家族と共に時を重ねて共に育ってゆくのです。
「生命ある庭」「木と共生するイエ/庭」という、お施主に突き付けられたテーマを胸に、試行錯誤の末に生まれた空間は、ごくあっさりとした風景でした。
家際の落葉樹の葉はほとんど落としてしまったにもかかわらず、枝葉の影が心地よく家屋の表情を和らげます。
家屋のボリュームに合わせて、今回は樹高7mクラスの太い雑木を数多く配しています。
何気ない風景、しかし、心地よい景色、心地よい住まい、そんなものを生み出してくれるのが家際の木立です。
完成後、北村建築工房、高田造園設計事務所、そしてお施主と共にじっくりと住まいや庭の佇まいを見渡しながら、延々と庭環境談義です。
建築者の視点、造園の視点、そして住む人の視点、住まいへのアプローチは様々ですが、3者それぞれに共通するのはよい住まいを作りたいという想いなのでしょう。
それらが一体となって協力し合い尊重し合うことではじめて、本当の意味でよい住まいが生み出されるものと、今回の仕事で改めて感じます。
終始快くご協力くださいました北村建築工房の皆様、素晴らしい仕事の機会を下さいましたお施主ご家族の皆様、どうもありがとうございました。