埼玉県草加市の庭づくり あと少し 平成25年2月20日
1月にかかり始めた、埼玉県草加市、Kさんの庭つくり、入院による中断を挟んでようやく今週で植栽が完了します。
正面の白い家がkさんの住まいです。そしてこの庭は、隣接する空き地をKさんが購入し、ここに2匹の老犬と共に楽しむ、木立の中のプライベート空間を作ります。
木々の合間に無数の回遊路が巡り、庭を歩く中で様々に変化する景色を楽しめるよう、庭を構成しました。
隣地を購入して庭とする、当然ながらその場合、家屋とその庭とのつながり方も同時に変えていかねばなりません。
庭と家屋の繋がりがなければ、どんなに良い空間が隣接していても、それを豊かな暮らしづくりに生かしきることは決してできません。
そのため、庭の工事と同時に、この空間に面したリビングの窓をくり抜き、掃き出し口を作っています。
大切なことは屋外と室内を滑らかに繋げてゆくこと、それが庭を活かす大事なポイントとなります。
掃出し窓の切り欠き工事中、2匹の老犬がお行儀よく庭を眺めています。
長年Kさんの家族と一時も離れることなく共に暮らしてきた2匹のラブラドール。年を取り、今は小さな段差も昇降できないほどに衰えたようです。
もうどこにも連れていけない老犬に、せめて木々の中に憩い、この庭をゆっくりと自由に歩かせたい、そんなKさんご家族の想いが、この庭に結実します。
街中の住宅地で70坪近い空間をすべて庭にするというのは、なかなかできることではありません。広い空間です。
その外周には、シイ、タブ、カシなどの常緑広葉樹を中心とした苗木を混植し、これから豊かな外周林を育て上げていきます。
この庭は、おそらく6年後くらいには樹高5mの自然植生の樹林帯に囲まれることでしょう。
庭が育つということ、それはそこに住む家族にとっての大きな楽しみになり、そして未来に向けた大きな希望となることでしょう。
庭はできたときが完成ではありません。家族と共に成長し、変化してゆく楽しみと感動、木々と共に生きる実感を家族共有の風景としてほしい、そんな願いを込めて、苗木による外周林育成を今回試みさせていただきました。
成長する木々は、未来の風景を作ります。私たちは未来の風景を想像しながら植栽していくことが大切だと考えています。