今週の風景 平成23年10月13日
静岡県熱海市、国宝級の素晴らしい美術品が数多く展示されているMOA美術館に、復原された黄金の茶室が展示されています。真鶴の造園工事の合間を縫って、熱海まで足を運びました。
この美術館を訪ねるのは2回目ですが、何度訪れても新たな感動がある、そんな素晴らしい美術館です。
豊臣秀吉が千利休に造らせた移動式の黄金の茶室です。
私は、素直にこの気品に打たれます。美しいと思います。
復原のため、作品が持つ精神性や品格といったものは、実際のものとは比較にならないほどに減じているはずですが、本物の素晴らしい品格を想像できます。
「侘び寂びを理解しない秀吉がつくった典型的な茶室」と、批判の目で見られることが多いようですが、明らかに千利休の精神性通った素晴らしい茶室であることに間違いありません。
そして、貧相な我が事務所は本物の侘び住まいです。。。雑木の木立を抜けて朝の日差しが差し込みます。これが私の最高の贅沢です。
事務所近くの竹林にて。秋の冷気が竹林を抜けて清涼な空気を作り出します。
竹林のトンネル。独特のざわめきには荘厳さを感じさせられます。
先の日曜日、日本一の巨樹を訪ねました。鹿児島県姶良市、蒲生八幡神社にある、蒲生の大クス(クスノキ)です。
根の周りの周径はなんと33mもあります。根こぶの一つ一つが巨石のようなボリュームです。
これほどの大きな根周りであるにかかわらず、樹高は30m程度と、関東周辺の巨樹を見慣れた私には、背が低く感じます。南国薩摩の風土ゆえの姿なのでしょう。
時代を越えて台風や落雷、様々な試練の中で枝が折れ、幹が折れ、そしてその下から新たな若芽を吹いて再生を繰り返してきたことでしょう。
樹齢推定1500年と言います。
今日訪れた東京都杉並区Sさんの庭、秋の庭を彩るツリバナの実。この木も都会ではコナラの木陰にいるのが心地よいようです。
もうひとつ紹介・・・やはり今日訪ねた、埼玉県坂戸市内の病院。町野皮ふ科の庭です。待合室前の中庭の木々は、植栽後2度目の秋を迎えました。
すっかりと根付き、雑木林の息吹が感じられるまでになりました。
どこに行っても何を見ても、木ばかり見てしまう秋の一週間でした。。。