神奈川県小田原市の庭 完成 平成22年11月6日
8月下旬に着工した神奈川県小田原市のTさんの庭、本日ようやく完成しました。
水舟や石窯など、様々な試みをさせていただいたお施主様に感謝の言葉もありません。
石窯の火入れ祭りは12月を予定しております。おいしい石窯料理ができるかどうか、結果はその時に分かります。
ウッドチップの小道の上に、晩秋の日差しが優しく揺れています。幹枝の陰影が明るい山中の心地よさを映し出してくれます。
石窯広場からみた駐車場と道路。何も目隠しは施しておりませんが、雑木の木立が周囲の景色を心地よく取り込みます。
道路から見た、古材のポストスタンドと玄関前の駐車スペースの景。手前の植栽が、駐車スペースを木立ちの中の風景になじませています。木々の成長と共に、美しい自然風景の中に家屋も駐車スペースもさらに溶け込んでいくことでしょう。
駐車スペースの舗装には、マサ土に塩化カルシウムを混入して締め固めました。土っぽい雰囲気がこの庭にとてもよくなじみました。
使用後はごみになるコンクリート系の舗装と違って、使用後も土に帰すことができます。また、吸水性が高く、水を含ませることで夏の路面温度上昇を防ぐことができます。
この土地をはじめて見たのは今年の1月のことでした。富士山麓、田んぼに囲まれた空き地に家が建って、そしてここに新たな風景を生み出すことができました。
この地で、Tさん家族は何十年という月日を過ごされることでしょう。この土地に、Tさん家族の時間と風景が刻み込まれます。
私たちがつくるものは、そこに住まれる家族だけが共有する心の風景となります。それゆえに、どんな場合でもその時の私たちの全力を尽くして、その場所その条件での最高の住環境をつくるべく努めます。
Tさんご夫妻は、遠い土地でありながら、私たちをお呼びいただき、そしてとても気持ちよく庭つくりをさせて下さいました。
お茶の用語で、「主客一体」という言葉があります。亭主とそこに招かれた客とが心を一つにしてはじめて、価値ある一座が生み出されるといいます。
亭主は客を思い、そして客は亭主を思い、お互いの心の交流の中で一期一会の一座が建立されます。
今回の庭つくり、「主客一体」ということはまさにこういうことと感じた次第です。
私たちは心あるお施主様ご家族のために心と力を尽くし、そしてお施主ご夫妻は、そんな私たちをはるか遠き地より招いて信頼し、好きなように仕事させてくれるのです。
こうした主客の絆の中で、良い住まいの風景が生まれます。
とても気持ちよく仕事させて下さったお施主様に心より感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。