茨城県常総市の庭 あと少し 平成26年5月29日
いよいよ初夏の手入れの時期に差し掛かる中、連休前からかかり始めた常総市Aさんの庭が今週中の完成の運びとなりました。周囲を田畑で囲まれた農村のログハウスです。
平坦な農地が広がる環境には、今は意外と木々がありません。一昔前であれば、こうした環境に点在して屋敷を構える場合、必ず周囲に生活環境を改善するための屋敷林を育てたのですが、今はそんな木々のありがたさも忘れ去られつつあります。
この周辺には強風を緩和する森もなく、小さな竜巻もよく発生しています。
ここに住環境を強風や夏の日差しから守る、現代の屋敷林が誕生しました。
「いい木陰ができて、ここは子供神輿のいい休憩場所になるな。」
と、Aさんは言います。ちょうどこの通りを昔から伝統行事の子供神輿が通るのですが、田畑の中のこの通りには木陰がなかったため、休める場所がなかったと言います。
木陰の涼しさありがたさが、神輿を担ぐ子供達にも身に染みて感じてもらえると思うと、うれしくなります。
南庭から木々のトンネル越しの家屋。
家屋東には大きな薪棚と、2階窓に朝日に受けて枝影を落とす高木たち。
この農村風景に違和感のない森の家となるよう、あくまで開放的に、周囲の景を取り込みながら庭を構成していきます。
これらの木々が住環境を改善し、小鳥の声、枝のざわめき、毎日毎時変化する木々の表情、ありがたい木陰など、これからの暮らしの中でたくさんの恩恵を与えてくれるのです。
木々越しの家屋の表情は何とも美しく、時間がゆっくり流れだします。常総市の風景として育ってゆくことを願いつつ、庭を仕上げていきます。