木々の中の住環境 平成24年6月14日
梅雨の晴れ間の今日は、昨年竣工の千葉県鴨川市、Tさんの庭を訪れました。
竣工からちょうど1年が経過し、初夏の緑は昨年に比べて一段と濃さを増していました。
昨年植栽した木々の向こうの家屋が落ち着いた佇まいを見せています。
昨年積んだ石垣も、樹木の下ですっかりと落ち着いた表情を感じさせています。木々が家屋の表情を和ませ、そして駐車場に心地よい木漏れ日を落とします。
玄関の石段周辺。写真左側が既存のエノキの森。そして右側が新たに石を積んで植栽し、この素晴らしい環境の中に家屋を溶け込ませようと試みました。
木漏れ日の下の涼やかな玄関アプローチ。施工後1年ですっかりとこの土地の雰囲気になじみました。
アプローチ石段から見た、木立の向こうの玄関の風景。
室内から見た玄関外の風景。
室内リビング、窓越しの景。
キッチン北窓からの風景は、家屋際に植栽した近景の木立と、もともとあった自然林のエノキが繋がり、あたかも森の中に住んでいるような落ち着きを感じさせてくれます。
2階ゲストルーム窓越しのエノキの大木。
そして、家屋東側のエノキの大木が家屋をの景を一段と引き立てます。
家際に植栽した木立の緑が、2階窓を通して室内に映り込み、心地よい緑色の光が部屋を染めるよう。
豊かな自然環境に恵まれたTさんの住まいでは、敷地のすべてが美しく見飽きることのない風景になります。
しかし、どんなに周囲が恵まれた自然環境であっても、家の近景となる緑があることではじめて、住まいの居心地は本当の意味で落ち着いたものとなるものです。
こうしたロケーションで、その近景を作るための造園は、常に周辺の美しい自然を賛美し、風景をより引き立てつつ、周囲の自然環境のよさを住まいの中へと引きこんでゆくように、控えめな配慮が必要に思います。
近景の木々を植えることで、周辺の風景と家屋が一体となる。こんな恵まれた場所での造園の意義は、そんなところにあるような気がします。