千葉県佐倉市の庭 茅葺き屋根工事開始 平成23年12月25日
昨日、2か月も前に注文していた茅が届いたので、今日から茅葺き屋根工事を始めることとなりました。
茨城県の霞ケ浦のほとり、稲敷市の島茅です。稲敷市で栽培される細くしなやかで均質な茅は島茅と呼ばれます。
島茅の刈り取りの時期は、地上部分がすっかりと枯れる12月にはじまります。かつては11月後半には刈り始めることができたそうですが、温暖化の進む今は、刈り取りの時期が3週間も遅くなったと言います。
ここは造園工事中のAさんの庭の中、井戸小屋の屋根です。破風と呼ばれる側面から茅を重ね上げていきます。
先月に社員総出で参加した五箇山集落での茅葺き研修の成果を今こそ発揮すべく、真剣な表情の社員K君。
茅葺き屋根の工程は多く、こんな小さな小屋の屋根葺きにも膨大な手間を要するとても地道な作業の連続です。1日で手がぼろぼろにあかぎれます。
それでも、こうして初めて造る茅葺き屋根が少しづつ形が見えてくると何とも言えない高揚感を覚えます。
これからの時代こそ、茅葺き屋根のような、農山村の暮らしと共に育まれてきた永続的な技術が、とても大切なものとなることでしょう。
植物素材の扱いに慣れている私たち造園職人こそ、こうした技術の担い手となるべきと考えて、私たちも技術研鑽に励みます。
屋根工事は始めたら最後、屋根が葺き終わるまで一気に進めるしかありません。年内に必ず完成させるべく、明日もひたすら茅を葺くことになります。
さて、どんな井戸小屋が完成するか、楽しみです。