過去のブログ 『雑木の庭』

坊の内養蜂園のはちみつ   平成23年11月16日

 脱サラして養蜂家に転向した友人から、彼の初めての商品となるハチミツをいただきました。

 温暖な房総、彼が千葉県袖ケ浦市に住み始めた6年前、「自然豊かな袖ケ浦の風土にふさわしい庭を作ってほしい。」との依頼を受けて、心根注いで庭を作らせていただきました。
 それ以来、私と同世代の彼は、深いところで志を一つにする特別な友となりました。

 「密の流れる里」、彼が命名した商品名のキャッチフレーズは、聖書が伝える理想郷、「乳と蜜が流れる地」(a land flowing with milk and honey)から採ったと言います。
 その命名に、サラリーマンだった6年前の彼と全く変わることのない一貫した信念が私に熱く伝わってきました。

 養蜂は、「空間農業」と言います。人間が土地を所有してミツバチに与えずとも、ミツバチはどこにでも飛んで行って花の蜜をせっせと集めて戻ってきます。
 そして、ミツバチによる花粉勾配によって存続する植物がたくさんあります。
 また、作物栽培としての農業も、ミツバチによる花粉勾配によって支えられている作物が数多くあります。
 彼はそこに、人間と自然とが共存する美しい世界を感じ、魅せられたのだと私は感じていました。

 「花が咲き、ミツバチが飛ぶ袖ケ浦市が「理想郷」として人々から末永く親しまれ愛される街になってほしい、そしていつか日本全国がかつての美しい里山を取り戻し、未来の子供たちが健全に成長できる国になって欲しい。」

 彼はそう言います。そんな彼の想いが、このはちみつに凝縮されているのでした。そして、そんな彼の願いは、造園に置き換えると、そのまま私の願いと全く同じです。

 ただし、庭にしてもハチミツにしても、世の中に提供する商品である以上、優れた品質のものでなければなりません。
 彼は初の商品を私に送付してくれた際、「商品として厳しい目で評価を聞かせてくれ。」と言いました。
 彼の、地に足のついた真摯な姿勢に打たれます。そんな友人を私はとても誇りに思います。

 しかし、彼の売り出したハチミツがおいしくなければ仕方ありません。実際どうなのでしょうか。
 まずは、ハチミツ好きの子供に試食させたところ、大好評。そして私も試食。
 ハチミツマニアの私にとっての感想は、「これは使える!」と直感しました。
使える、というのは、私のお客様方々への贈り物に使える、と思ったのです。地元産でこれ程おいしく、美しく、真心のこもったハチミツ、これを私のお客様に味わっていただき、そして喜んでくださる様子を想像すると、ワクワクします。

 坊の内養蜂園、私の誇りです。

 

株式会社高田造園設計事務所様

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