ドングリの季節 平成22年11月16日
暑い夏だったせいか、今年はドングリがよく生っています。お客様方々から豊作のドングリ便りが舞い込んできます。
地元住宅地の緑道です。40年も前に開発された住宅地には豊かな緑地が残されています。最近の、大型重機で蹂躙されて平坦化した味気ない大規模住宅造成地とは違って、かつての住宅地には坂道があり、道は曲がり、そして斜面には森が残ります。
自然豊かな住まいの環境は、地元住民の誇りとなっています。この緑道には、散歩する住民の姿が絶えることがありません。
この緑道に面した地元小学校の廊下で見かけた、小学生が作った掲示です。
「緑と人の和」とあります。
これは、地元自治会のテーマです。自然豊かな街には落ち着きと安らぎがあり、そしてそれが地元への誇りや、心の豊かさを生み出してくれます。
自分が住む街に誇りを持つということ、なんと素晴らしいことでしょう。よくよく考えれば当たり前のことですが、近年の日本人は住まいの豊かさというものをどこかに置き忘れていることが多いようです。
地元小学校の秋祭りです。コナラやクヌギのドングリでコマをつくるワークショップの様子です。学校の周囲の雑木林に行けばどんぐりは山のように収穫できます。
ドングリは昔から子供の人気者のようです。
そしてまた片隅では、1年生の女の子たちが松ぼっくりに色とりどりの飾りをつけて小さなツリーを作るワークショップを開いていました。
そしてこちらでも、ドングリや松ぼっくりでけんだまを作っています。
この小学校では、校庭を掃除して集めた落ち葉から堆肥を作っています。その、落ち葉堆肥つくりの過程をまとめた掲示です。
素晴らしい小学校です。見渡す限りの自然に恵まれたこの小学校では、周囲の森や木々が教材であり、玩具になります。
こんな恵まれた小学校も、市街地では今や非常に希少なものとなりました。
小学校のビオトープ入り口です。子供たちが管理し、そして自然観察の教材になっています。
様々な生き物が共存する小学校のビオトープ。
しかし、よくよく考えてみると、私が子供だった30年以上前は、近くの野川や田んぼが遊び場で、それはそのまま本物のビオトープでした。当時はビオトープなんて当たり前すぎて、そんな言葉すら日本にはなかったことです。
子供たちの自然観察のために、わざわざこうした場を作らねばならないというのが今の時代というものなのかもしれません。寂しいことですが、これが現実です。
今後、私たちの努力で、かつて身近にあった豊かな自然環境をこの日本にどれだけ再生できるか、今をターニングポイントにしたいものです。