延焼を防いだ木々 平成24年1月21日
今週の初め、事務所の隣、廃品回収リサイクル業者の倉庫が火事で全焼しました。
回収保管されていた家電廃品に次々と引火し、大きな爆発音と共に黒い煙、猛烈な悪臭が立ち上りました。
写真左の白い建物は、当社のゲストハウスです。4m道路を挟んで、大きな火災現場に隣接しています。
火事の後。大きな鉄骨の倉庫がぐしゃりと曲がり、そして中の廃品家電などは全て燃えました。
冷蔵庫やテレビなど、黒煙を上げて爆発し、そして猛烈な火力を発して燃えていったようです。
そして、こうした廃物火災によって様々な有害物質もまき散らされたことでしょう。
悪臭によって頭が痛くなります。
敷地に隣接するケヤキの大木群も、枝の一部が燃え、幹も痛々しく焦げてしまいましたが、あれほどの熱風にも関わらず、ケヤキの命は無事でした。
火事の風下側に位置する左奥の家屋は、竹林によって火の勢いが食い止められ、間一髪で延焼を免れました。
そして、この大規模火災現場から僅か数mの場所に位置する私の事務所。建屋際の木々の葉は熱風で焼け、茶色く焦げています。
焼け焦げながらも命を繋いだ庭の木々たち。
火事の後日、地元消防署の方が私の会社に来て、こんな話をされました。
「これほどの大きな火災なのに、人的被害がなく、周りの建物への延焼もなかったということは、本当に幸いなことですよ。家の周りの庭の木が意外と延焼を防いでくれるんです。
普通、木が燃えると考える人が多いようですがそうでもなく、逆に金属製品や人工素材の家具などが一番よく燃えるんですよ。
今回も竹林や庭の木々が、延焼を防いでくれた部分もあると思います。」
火災現場に面した事務所際の木々たちは、みんなこうして葉を焦がしながらも、火災から事務所を守ってくれたのです。
赤々とした炎を見せる事務所の薪ストーブ。静かに揺らぐストーブの炎は心地よく、とても暖かく、心まで温まります。
冬の事務所になくてはならないのが、この薪ストーブです。
しかし、コントロールできなくなって暴走した炎は、全てを一瞬にして奪い去ってしまう、恐ろしい側面もあります。
オール電化の暮らしなど、人の暮らしの中から火を遠ざけてしまいます。火のぬくもりも怖さも知らない子供や大人たちが増えてゆく、その先にどんな世の中が待っていることでしょう。
そして、火事にも負けずに命を繋ぐ木々の愛おしさ、いろいろな体感が与えてくれる感動を大切にしていきたいものです。