東京都小金井市の庭 平成23年3月30日
東京都小金井市、新築アパート件Kさんの住まいの庭造りに取りかかって1週間目となりました。
一階奥は3世帯の賃貸アパートとなっています。曲線の玄関アプローチを配し、雑木植栽の連続によって奥行きを出しました。
美しく清々しい玄関アプローチに仕上がりそうです。ここに住む住人は幸せだなあと、自画自賛しながら、雑木林の外空間を造っています。
日当たりの悪い北側です。東京の街中で雑木の自然空間をつくる場合、日当たりのよくない北側のほうがむしろ、健康で繊細な自然庭を造りやすいというのが私の実感です。
建物西側は、大家のKさん宅の玄関となります。連続する雑木の幹のラインによって、玄関前の空間を雑木林の中に溶け込むように見せました。
Kさん宅の玄関の先、枕木に取り付けた水栓をアイストップとして玄関先の景色をまとめました。そして樹木の合間を抜けて左に回ると、南庭の空間へと伝います。
賃貸アパートの南庭スペースです。
アパートという、例え一時の住まいであっても、自然豊かな外環境はかけがえのない心の豊かさをもたらすことができると思います。四季の変化、1日の日差しの動きがもたらす景色の変化、そんなことを感じながら生活できること、そこにかけがえのない大切なものがあるように思います。
南庭の様子。2階部分がKさんの居宅となります。その2階の窓越しに、雑木の枝葉が揺れるように、高木を配しました。
庭というものをどうとらえるか、それは人それぞれだと思いますが、私にとって庭は住環境だと考えております。
2階が居宅であるならば、そこに居ながら窓の外の豊かな自然を感じて欲しいとの思いを込めて、外の空間を構成します。
自然の木々がもたらす豊かさ、住環境の豊かさは何物にも代えられない大切なものだと思います。
このアパートはたまたま、住環境の豊かな自然を大切に考える大家さんであるゆえに、賃貸アパートとしては大変珍しい程の、豊かな外空間が展開する住環境となりました。
こんな住環境が増えれば、人の心はどれほど豊かになることでしょう。
ここに暮らす居住者が木々や自然の変化に癒されて、心豊かに暮らされることを祈りつつ、庭を造らせていただいています。